
動物だから口が臭いのは当たり前?
健康な口は臭くありません。不快な口臭がある時は何らかの口腔内の異常がある事がほとんどです。ここ5年間で最もワンちゃん・ネコちゃん達に増えてきている疾患の一つに歯の病気があります。動物達の歯科疾患の発生率はかなり高く、3歳以上のワンちゃん・ネコちゃんの約80%に見られます。原因には動物さん達の高齢化、様々な種類のおやつや人間と同じものを食べる食生活の変化などが挙げられます。健康で長生きをするためには、健康な歯は欠かせません!健康な歯を維持するためには、日頃からの予防と、病気になった口や歯の状態を改善する治療とがあります。それぞれについて順番にご紹介いたします。また、各々の項目でよく尋ねられる質問についてもお答えしていきます。
予防の意義
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・快適な食事をするために。
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・不快な口臭がしないために。
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・全身の健康を守るために。
予防の方法・・・歯ブラシによるブラッシングが一番!!
ブラッシングを長く続けるためのコツ
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・ワンちゃん・ネコちゃんにブラッシングを好きになってもらう。
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・3日に1回で十分
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・完璧にやらない
当院では、歯科処置やスケーリングを行った患者様にはデンタルケアの個別指導を行っております。具体的な方法を知りたい方はぜひご相談ください。
受付には、初めてデンタルケアを行いたい方用にスタートキットが置いてあります。「やってみたいけどうまくできるかどうかが心配」という方はまずこちらからどうぞ
デンタルケアスターターキット(3点セット)歯ブラシ・歯磨き粉・歯磨きガム

☆ブラッシングがどうしても苦手なワンちゃん・ネコちゃんには・・。
デンタルケアを諦めちゃうのはもったいない!ブラッシング以外にもできることはたくさんあります
歯磨きペースト

歯ブラシにつけなくても大丈夫!バイ菌の増殖や歯石の形成を予防する2種類の酵素が入っています。
毎日少しずつ舐めるだけでお口をきれいに保ちます。人のようにすすぐ必要はありません。
歯磨きガム

適切な硬さのガムを噛むことで、歯についた歯垢を除去できます。また、硬い物を思いっきり噛むことでストレス解消にもつながります。体の大きさなどに合わせて大きさや厚さの異なる10種類があります。
Q 歯を丈夫にするために歯磨きガムの代わりにひづめや骨をあげても同じ効果が得られますか?
A |
ひづめや骨は絶対にあげてはいけません。健康な歯を痛めてしまい、ひどい時には歯が折れてしまいます。 |
Q デンタルガムを食べているから、そのうち歯石はなくなる?
A |
デンタルガムには歯石の付着を予防する効果はありますが、歯石を落とす効果まではありません。一度歯石が付着したら、スケーリングの処置が必要です。 |
Q 残っている乳歯はそのうち抜ける?
A |
乳歯は永久歯が生えてくる前に抜けるのが正常です。つまり、永久歯が生えているのに乳歯が残っているのは異常です。生後8ヶ月以上で乳歯が残っている場合は自然に抜けることは少ないといわれています。抜け残った歯をそのままにしておくと
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口臭予防デンタルジェル

ビタミンCが入っており、口臭や歯肉の炎症の改善に効果を発揮します。歯ブラシが苦手なネコちゃんに特に好評です。
デンタルケアは複数のケアを組み合わせることでより高い効果を発揮します。当院では患者様一人一人にあったデンタルケアの相談を予約制にて行っております。始めてみたい、興味があるという方はぜひご相談ください。
デンタルケアは複数のケアを組み合わせることでより高い効果を発揮します。当院では患者様一人一人にあったデンタルケアの相談を予約制にて行っております。始めてみたい、興味があるという方はぜひご相談ください。
歯科治療
歯石の除去、歯周病の治療
歯石がついたままにして放っておくと、さらに歯石は重度になり歯や歯肉、果ては顎の骨まで溶かしてしまいます。歯石がついてしまったら、ブラッシングではとれません。そうならないためにきちんと歯石除去を行いましょう。
Q 食欲があるうちは歯の状態は大丈夫ですよね?
A |
歯周病等の歯の病気が原因で食欲がなくなるときはかなり進行している場合がほとんどです。初期の歯周病では食欲は全く変わりません。歯周病が重度だと歯の温存ができず、抜歯せざるを得ないこともあります。早期に歯の異常を発見するためにも定期的な検診が必要です。 |
Q 麻酔をかけない歯石取りのほうが安全ではないのですか?
A |
麻酔をかけない歯石取りは間違いです。一見、歯がきれいになったように見えますが、歯周ポケットの処置はできませんし、歯石の取り残しも発生します。また、健康な歯にも大きな負担をかけます。行うべきではありません。 |
Q うちの子は高齢だから歯科処置はもう無理ではないですか?
A |
高齢だから、歯科処置に耐えられないということはありません。また、当院では麻酔を必要とする歯科処置の前には必ず術前検査(レントゲン検査・血液検査など)を行って患者さんの状態を把握しています。その結果に基づいてそれぞれの患者さんに最適な麻酔下での歯科処置を行っております。心配な方はぜひご相談ください。 |
Q 歯石を取れば歯の治療は十分?その後は何もしなくていいの?
A |
歯石を取ることと同じくらい、歯周ポケットのケアが大切です。また、歯石を取った後に何もせず放っておくとすぐに歯石が再付着しますので、再び歯石がつかないように日頃のケアが大切です。 |
☆歯石除去処置の一般的な手順
当院の歯科処置における大まかな流れを説明いたします。
①術前検査
全身麻酔をする前にレントゲン検査、血液検査を行います。患者様に麻酔における重大な異常がないかをチェックいたします。
②プロービング

歯周ポケットの深さを測定し、歯周病の程度を確認します。
③スケーリング

超音波スケーラーを用いて歯や歯周ポケットの歯石を除去します
④ルートプレーニング

歯の根本の表面を滑らかにします
⑤キュレッタージ

歯周ポケットの中の不要な歯肉などを取り除きます。 こうすることで、健康な歯肉に戻ることを助けます。
⑥ポリッシング

スケーリングによって細かい凹凸が出来た歯の表面を滑らかにします。この処置によって再度、歯石が付きにくくなります。ポリッシングは2種類のペーストをつかって2度行います。